2011年5月29日日曜日

髪騎士

慌ただしさの中で春は瞬く間に過ぎ、気がつけば窓辺から聞こえるのは梅雨の雨音。
日曜の朝の雨は悪くない。何処にも行く予定が無いと言う条件がつくけど。
もちろん今日は何処にも行かない。一日家で絵を描いたり文章を書いたりして過ごすのだ。
昨日、お菓子や果物を買ったおいたので、口寂しいという事にはなるまい。

部屋には時計がない。おかげで常時視覚的な時間の刻みを感じられず、トロリとしたゼリーのように流動化した時の中で、そこそこに怠惰な無自覚な生を送る事が出来る。
一日は象のように案外早い。アフリカにも四畳半にも等しく奴らはいる。

よし雨音を肴に昼間から日本酒を呑もう。それは甘いピストルの味だぜ。


そういえば
神奈川県は小田原も手を伸ばせば届きそうな所にある渋沢という場所で、豆版画のグループ展が今月の始めより行なわれている。僕も一応参加させてもらい、四点程出した。
先週の好天を突いて電車に乗って行って来た。たまには遠くに行くのもいい。まじかで山の連なるを見ると、当たり前に衝撃を受ける。
展示場はブラッスリー千元屋という、イタリアンとフレンチを出すレストランの中に併設されている展示スペースだ。何十名もの版画作家の作品が所狭しと並べられ、明るい店内で賑やかに並んでいた。
その後、お店の人たちに、午餐のテーブルに招かれ酒食をごちそうになる。こだわりのない人達だった。さらに近くのギャラリーで面白いのをやっているから、一緒に連れて行ってもらう。
この辺は都下から遠く近くにあり、家賃も安く芸術家が多く棲んでいるとの事。
地元と美術が寄り添っているように感じられた。


アートブックフェア用の、作品のイメージもようやく目星がついてきた。
今回は、髪にしようと思う。

題名は La cheveulier あたりにしょうと思ってる。髪騎士いう意味の造語。
今回はオールリトグラフは無理だけど、綺麗な本にしたいと思ってます。